課題解決の5つの階層モデル - 噛み合わない議論は階層を見極めよ
↓この本を読みました。
評判通り、すこぶる良い本でした。
リモート時代においては改訂の余地ありですが、会議における「ファシリテーション」の極意が詰まっています。
こちらに書かれていた「議論が噛み合わない理由」がしっくりきたので紹介。
議論が噛み合わないのは、違う階層で話しているから
「課題解決の5つの階層」というモデルが紹介されています。
これが非常に分かりやすい。
議論が噛み合わずぐちゃぐちゃになってしまう時は、ここの階層が揃っているかを見極め、下の階層から認識合わせを行うと良い。
課題解決の5つの階層モデル
5つの階層は下記の通り。
5. 効果:どの施策が効果が大きいのか?
4. 施策:どんな解決策があるのか?
3. 原因:なぜそれが発生するのか?
2. 問題:具体的にどう困るのか?
1. 事象:何が起こっているのか?
課題解決の順序
つまり、課題解決は下記順序で進めることで、「最も期待値の高い施策」を導き出せるということです。
- まず事象を正確に把握する
- その事象によって、どんな問題が起きているのか(起こるのか)明らかにする
- その問題が起きている根本的要因(root cause)を突き止める
- 原因を解消するために、どんな打ち手があるのか?
- 打ち手のうち、効果が高いものはどれか?
噛み合わない議論は階層を見極めよ
議論が噛み合わない際は、8割型この階層が合っていないからだと言う。
噛み合わない場合は介入し、下の階層から順に「これってこういうことで合ってます?」と問うて認識を揃えていけば良い。
やや面倒に感じるが、下の階層で認識が一致していなければ必ず上の階層で詰まるので、これは避けて通れない。
よくあるのはバイアスにより下の階層をスキップして「施策」の話に入ってしまうケース。
頭の回転が速い人ほど陥りがちな罠なので、そんな場合は議論を止めて下の階層に立ち返ろう。
一人で問題解決を考える際にも
このモデルは一人で問題解決を考える際にも使えるだろう。
事象 → 問題 → 原因 → 施策 →効果 としっかり切り分けて書き出すことで、順序立てて思考できる。
そのまま意思決定者に渡すことで、どこに認識齟齬があるかも指摘しやすい。
「上司が意思決定してくれない」などと嘆くよりは、自分の伝え方を完璧に近付ける方がよっぽど有益だろう。
この本からは他にも有益な示唆が多々得られたので、また紹介していきます。
そんな感じ。