「働く」は「傍を楽にする」こと - 仕事と人生のバランスを見出すヒント
↓この本を読みました。
駒崎さんについては、出口さんとの対談本『世界一子どもを育てやすい国にしよう』で知りました。
この本ではもともとワーカホリックであった著者が、どのようにしてワークとライフの在り方に気付き、変えていったかがまとめられています。
特に面白かったのが「働く」の語源の話。
「働く」はもともと「傍を楽にする」という意味から来ているので、皿洗いをするとかPTAに参加するとか、「誰かを楽にする行為」すべてを「働く」として捉えなおせば良いのでは、というのが著者の主張です。
これとても面白い考え方で、あらゆるものを「働く」として捉えなおすことで、人生のバランスを考え直すことができる。
実は誰かを楽にすると、お金以外でも対価を得ていることに気付ける。
例えば家事をすることは家族関係を良くすることに繋がるし、妻の時間を空けてやれば、結果として世帯収入が上がるかもしれない。
地域の活動に参加することは、自分だけでは見切れない見守りネットワークを構築し、ひいては我が子の教育環境を充実させるためのものである。
そして大きなポイントは、現代が便利になったからと言って、全て簡単にお金で解決できるわけではないということですね。
本当の大富豪であれば、全て外注して自身はお金を得られる仕事に集中するのが最も生産性が高いのかもしれません。
でも、大半の人はそうではないはずです。
お金を払って保育園に預けようが、夜になれば我が子の面倒を見る必要があります。
であれば、夜までお金を得られる仕事に従事し、家庭をほっぽらかしてる場合ではないのです。
他の「仕事」ができない時間を使って、対価を得る仕事をする。
結局対価が得られるかどうかというのは、「それがビジネスとして市場化されているか」でしかないんだと思います。
お金を稼ぐことは必要だし面白いですが、それ以外でも誰かの為になることをしましょう。
そのために取っ払うべき、排除すべき社会の仕組みに、ひとりひとりが立ち向かいましょう。
世間手を気にしてそういった一つ一つの行動を変えないことは、未来へ問題を先延ばししているに過ぎません。
子どもを持つと、「問題を未来へ先延ばしすること」が自分に関係ないことではなく、我が子や孫の未来に直結することが何となく分かってくると思います。
良いところは継承し、悪いところは整理したうえで、未来へバトンを繋ぎましょう。
そのために、働くを広義で捉えなおし、「誰かを楽にすること」にたくさん時間と頭を使いましょう。
まずあらゆる行動を「働く」で捉え直し、「最も身近な人の幸せに貢献できているか?」と問い直すことで、あるべき時間配分が見えてくると思います。
↓仕事に対する向き合い方を考えるうえでは、出口さんの書も大変有益でした。
そんな感じ。