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読書についてアドバイスすると結局「たくさん読め」になる理由

10年くらい、時には間も空きつつだが本を読んできた。 世の中には「読みたいのに続かない」とか、本を読みたいけど自分が思ったほどは読めていない人が常に一定数いるように思う。 そういう人へ一言でアドバイスを送るなら、結局「たくさん読め」ということになる。

読書習慣がなんかしっくりこない時期もありつつ、試行錯誤した結果、結局ここに帰着する理由を言語化しておく。

多く読むことは目的ではない

まずはじめに、より多くの本を読むこと自体は目的ではない。 多読は結果である。

そういう意味では、1年間で読んだ冊数とか、毎日何時間読むと決めるとかかはさして重要ではない。

「たくさん読め」のその過程こそが重要である。

脳は没頭を求めている

高いお金を払ってセミナーに参加して何を得られないことがあるように、お金と時間をかけて読了しても何も残らない読書はある。

対して、「はじめに」や一章しか読んでいなかったり、15分くらいパラパラと読み切った本が大きな影響を与えることもある。

これは集中の度合いによって違いが生まれる。 没頭と言い換えることもできる。没頭の効果は下記のような本が伝えているところで、一つの目の前のことにのめり込むことは、明らかに脳にとって心地が良い。

没頭した読書からは、必ず何かが得られる。 逆に没頭できない読書は、何も得られないのでしなくて良い。没頭するための必要条件が何か欠けていると考え、別の入門書を読んだり必要な周辺知識に思いを巡らせると良い。

没頭し続けるには適度に切り替える

一方でこの没頭状態を続けるには、適度に切り替えを行う必要がある。

単純に学校のカリキュラムが6時間すべて同じ教科であったら飽きるのと同じである。

人は同じことをし続けると飽きる。しかし切り替えを細かく頻繁に行いすぎると飽きる。不便な脳だが、どうやらそういうものらしい。

飽きたら違う本を読む → 多読になる

読書も同じで、一冊の本をすべて読み切ってから次に行く必要はない。 常に読みかけの本を作っておき、飽きたら切り替えることで没頭状態を継続できる。

そうしていると逆に残り2割とかになると読み切りたい意識も働いてくる。そこでまたエンジンがかかるので、気付いたら結構読んでるなという状態になる。 この状態が多読である。

切り替えられる環境を用意しておく

飽きた時に次読む本がある状態を維持し続けることが大切で、これにはさまざまな工夫がいる。

簡単なのは毎週図書館に通うこと。ただこれは図書館が近くに無いといけない。 読み切っていない本でも、熱量が失われた本は一旦返す。

そうやって手元にある本をずっと入れ替え続けていくと、常に読みたい本だけが手元に残る。 目安としては毎週5冊は入れ替えるようにしている。

ブックタワーもおすすめである。 注意点はもう読まないと決めた本は取り除くこと。タワー内の本が直近読む本のみで構成されていないと、放置している自分に罪悪感が生まれてしまう。

Kindle も併用すると良い。マンガや小説のような片方向に流れる本は Kindle でも全然読める。 私の場合はこれをトイレ専用端末とした。

多読のすすめ

思うに、何か分野を極めるならその分野の本はすべて読むつもりでいなければならない。 ダメな本も含めてすべて。そうしないと今どこまで分かっていて、どこからが新しい要素なのかも見えてこない。

今自分にとってちょうど良い本を選んで没頭し続けないと、時間はいくらあっても足りない。でもそれを見極めるためにはダメ本も手に取って潰していく必要がある。

スイッチングして没頭状態を維持し、今じゃない本はどんどん後回しにしていく。完全に理想的な形ではないけど、こうやって高速サイクルを回してだんだんと読書精度みたいなものを上げていけば良いのではないかなーと。

そんな感じ。