Drupal 開発ディレクター兼エンジニアが仕事、育児、本など雑多に書くブログ

DrupalCamp DEN 2023 Iwakuni 振り返り

2023/1/21, DrupalCamp DEN 2023 Iwakuni に参加してきました。 ハイブリッド開催イベントでしたが、私は懇親会含め現地での参加です。 自分が見たセッションを中心に振り返ります。

DrupalCamp DEN 2023 Iwakuni とは

Drupal DEN 自体の設立経緯は下記あたりをご参照ください。
https://groups.drupal.org/den-japan

DrupalCamp DEN 2023 Iwakuni のイベントページです。 DrupalCamp DEN 2023 Iwakuni

DrupalCamp DEN としては4度目、私は2度目の DrupalCamp DEN 2019 名古屋からの参加です。
名古屋のイベントページもまだありました。
https://drupal-camp2019.den-japan.org/

参照

私がのんびりブログを書いている間にいろいろコンテンツが出てきたので合わせてどうぞ。

セッション動画・スライド

公式 drupal-camp2023.den-japan.org

振り返り記事

セッション振り返り

A, B, C と3つトラックがあったので、聞きたいのに聞けないセッションもたくさんありました。 他の皆さんの感想もお伺いしたいところです。

挨拶

まずはじめに岩国市長からのご挨拶がありました。
市長が登壇されるケースはエンジニアイベントでもなかなか見ないのではと思います。

山口県はご飯もお酒も美味しく、気候も過ごしやすく、昨今の地方でのサテライトオフィス設立やUターン需要などととてもマッチしているなという印象を受けました。

今回訪れた岩国市も、厳島神社なども近く、ある程度リモートでの仕事が成立してきた今、田舎と都市部の中間として良いところだと思います。

Dries ビデオメッセージ

Drupal の話題に入る前に、Drupal創始者である Dries のビデオメッセージです。

はじめて Drupal イベントを訪れた方や、なんとなく技術的に気になって触ってみたという方には新鮮なテーマだったと思います。

改めてはじめは数十人という規模から世界へ広がっていった流れを見て、日本も今それを数年遅れてやっているのかなぁという感じを受けました。

スペシャルセッション

今回のスペシャルセッションは OIST での Drupal 9 移行の裏話でした。

特に日本語のソートにおける複雑性の話が印象的でした。

最後に「神は細部に宿る」という話がありましたが、これは本当に日々感じるところ。 細かいところにこだわって作っていると「大変やな〜」と思うこともあるのですが、そういう取り組みが間違っていなかったと勇気付けられる締めくくりでした。

A-1, 国際農研Webサイトの構築と運用

はじめはAトラックから。

特に 2020 Osaka からですかね。技術者だけでなく顧客側視点での登壇が増えてきて、とても良い動きだなと思っています。

懇親会でも少しお話させていただいたのですが、図書館学なんかを専門とする方のようです。 「情報を丁寧に分類する」という点が図書館学と Drupal 構築で共通しているのかな?という話がとても興味深い。

実際のサイトはこちら。
ホーム | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

作り手の顔というか、こだわりが随所に見える良いサイトです。

一方でやっぱり発注側が熱量を持って取り組めないとプロジェクトって盛り上がってこないので、開発者だけでなくいろんな方向から「良いものを作ろう」と考えて実行できる人が必要なんだなーと感じたセッションでした。 あとプレゼンって絵じゃなくて中身ですね。平易な言葉と正しい構成。これが一番分かりやすし伝わるというお手本。

B-2, DrupalとFastly!~究極の柔軟性と高速性を手に入れよう~

Fastly と業務提携もされているインフラレッド代表の登壇。

Drupal と一緒に Fastly が使われている事例は結構あると思うのですが、DrupalCamp では意外と今まで出たことの無いであろうテーマ。

技術的な面は分からない部分も多いですが、個人的には Fastly は全体の構成が分かりやすく、UI も綺麗で、Drupal とセットで使うのにもちょうど良いケースが多いんじゃないかなーと思ってる。

調べてみると drupal.org も Fastly を採用しているようで、英語だとベストプラクティスなんかもたくさん出てきそうな気がします。
Drupal Association : ケーススタディ | Fastly

Drupal 側でやると大変な部分を上手く Fastly で吸収する」というのはとても理にかなってるので、いろいろ試していきたいですね〜

A-3, Drupalを始めるあなたへ、豊田支部発刊書籍の紹介

Drupal Meetup 豊田から Drupal 本の紹介。

ここ数年本当に頑張ってくださっている方々のおかげで、日本語の Drupal 本が増えてきています。

目次を振り返りながら、どんな内容が書かれているかを振り返るセッションでした。

複数人執筆の良さが出ていて、トピックが多岐に渡るのでとりあえず手に取って気になるところから読んでいくと面白いと思います。

B-4, エンジニア向けノードのアクセス制限方法まとめ

今回の Meetup を振り返る時、まずはじめに思い出すのはこのセッションでしょう。 「そこそこ良い」は努力して作れても、「めっちゃ良い」は才能なんやなー、自分にはできんなーと思いました。羨ましい。

これは必ず資料ではなく動画で閲覧ください。プレゼンという名のエンタメです。

2019 の時もそうでしたが知見溢れる内容で、Drupal でアクセス制限がどういう仕組みになっているかをまず整理し、デフォルトの機能でできること、コントリビュートモジュールでできることとそのパターン、最後にカスタムする場合、というように徐々に高度なテクニックに移っていきます。 この構成が完璧すぎですね。Drupal の仕組みを踏まえると、確かにこの順序で説明しなければならない。

終盤の強さ比較なんかは努力の賜物で、スペシャルセッションでもあった「神は細部に宿る」という話をそのまま体現した素晴らしい発表だった。

B-5, Drupal × Tailwind CSS

これは自分も関わったプロジェクトで、振り返りも兼ねて拝聴。 Tailwind CSS はそのコンセプトはとても良いし、デザインシステムなんかとも実は親和性が高そうと思っているのだけれど、Drupal と組み合わせるにはやっぱりそれなりに超えなきゃいけない壁があるよね、みたいなことを日本語ではじめてちゃんと説明した機会なんじゃないかな。

実際のソースコードもあがっているのでお試しください。

日本ではそこまで流行っていないようですが、海外では凄い伸びているという話も聞くので、もう一歩洞察を深めていく必要があるのかもしれない。

やや話がそれますが、今回の知見も踏まえると Token CSS も面白いかもな〜と少し思っている。 Token CSS

A-6, Drupalモジュール紹介 100本ノック

あっという間に最後のセッションです。

公式のサムネを見れば分かりますが、はじめはフリップ芸かと思いました。それくらいにテンポ良く淡々とモジュールを紹介していく。

でも途中から気付くんですよね。これだけ短い言葉でそのモジュールを説明できるって、逆にすごくね?と。

端的に説明するということは、そのモジュールがどこまでを担っていて、他のモジュールとどう噛み合わさって何を提供しているのかということが肌感で分かってないといけないんですよね。

特にコアモジュールの一つ一つまではあまり意識できていなかったので、とても参考になった。

だいたいのサイトはここに出てきた100本のモジュールがあればいけるのでは?と思わせる、Drupal へチャレンジする様々な方へのとても良い導入になったと思います。

総括

記憶にある限りであれこれ書きました。皆さん本当に素敵な発表ばかりでした。 見れていないセッションはこれから少しずつ見て Twitter で呟いたりしたいと思います。

何より画面や名前だけ知っていた方と直接お会いできてとても楽しかったです。

そんな感じ。また会いましょう!