Drupal 開発ディレクター兼エンジニアが仕事、育児、本など雑多に書くブログ

気難しい私が精神的な落ち着きを得るために読んだ本

年齢の割に落ち着いていると言われることがある。

一つの大きな要因は、高校中退→引っ越し屋さん→オランダ留学等を経て、年の違う人と話す機会が多かったのが良かったのかなと思っている。

ただその過程では心が落ち込む時もたくさんあって、東京で働いた新卒1-2年目は精神的にかなり追い込まれたりもした。

 

ひと言でいうと、気難しい性格なんだろう。

少年期はわがままを通り越してキレ散らかしていたし、そんな自分が割と冷静にものごとを捉えられるようになったのは、読書による補完も大きい。

これまでに読んで、自分の精神面を鍛えるにあたって有益だった本を遡ってみる。

 

 

怒らないこと

仏教に興味を持ち出した時にこれを読んだ。

今はほとんど怒らない。怒ることは気力を使うし、怒っても何も解決しないからだ。

この本では、「怒る」という自分を少し引いた視点で見て、「何で怒るんだろう?」ということを考えるきっかけを得た。

 

もともとはいわゆるキレ児だった私があまり怒らない性格になった。そうした本による変化を経験できた意味でも、功績が大きい。

 

始めよう。瞑想〜15分でできるココロとアタマのストレッチ

今ほどマインドフルネスとかが流行る前の、瞑想ブームがじわじわきていた頃の本。

この本で瞑想に出会い、「瞑想」という言葉が宗教的な何かから「行為」であり「状態」であり「習慣」だという認識に変わった。

別に毎日瞑想しなくてもいい。世の中には心を落ち着ける「技術」があるということさえ理解してしまえば、あとはその技術を磨いていけば良い。

湧き上がるイライラや無常感を放置せず、これもまた一歩引いて見ることを教えてくれる入門書である。

 

上機嫌のすすめ

怒らないということは、いつも機嫌が良いということである。

この本は書道家である武田双雲が、いつも上機嫌でいるためのコツを教えてくれる。

いつも何かに怒っている人もいる。でもそれは、その人が選んだ人生なのだ。いつも機嫌良い人生を選ぶこともできる。

それが選択だけの違いだと分かれば、そんなに難しいことでもない。ただ今日から、笑うことを選ぶだけだ。

上機嫌のすすめ (平凡社新書 527)

上機嫌のすすめ (平凡社新書 527)

 

 

心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣

元日本代表キャプテン長谷部誠。30代後半に差し掛かってもドイツの第一線で活躍する彼を支えているのは、間違いなく習慣であり「続けること」である。

この本では彼が実践するさまざまな習慣が紹介されているが、今でも意識しているのはボーッとする時間を作ること。

現代人は忙しすぎて、仕事をしてご飯を食べてとしているうちに、気づけば一日が終わっていることも少なくない。そんな毎日に潰されないために、寝る前でもお風呂の中でも良いから、5分だけでもボーッとする時間を作ると良い。

長谷部は元来、明るいタイプでもメンタルが強いタイプでもない。むしろちょっといじられたことが気になって、無駄に考えてしまうようなタイプだと思う。

そんな彼が意識的に、いわば後天的に意識して身につけた習慣からは学ぶところがある。 

 

孤独のチカラ

若い頃は、ぼっちであることをポジティブに受け入れづらい。私も大学時代、うまく溶け込めない自分に嫌気がさす時期があった。

だが今は断言できる。ひとりで過ごす時間こそが、自分を育てると。

この本はそんな孤独感を受け入れられない若い人に、その時間を受け止め過ごすことを教えてくれる。

あなたは自分と十分に向き合っているだろうか?人肌恋しさにかまけて、一番大切な時間を失っていないだろうか?

精神を鍛えるテクニックは数あれど、結局は自分と徹底的に向き合い肯定感を養う必要がある。孤独を攻略できるか否かが、長い人生において大きな違いを生むと信じている。

孤独のチカラ (新潮文庫)

孤独のチカラ (新潮文庫)

  • 作者:孝, 齋藤
  • 発売日: 2010/09/29
  • メディア: 文庫
 

 

すべてはモテるためである

精神的に不安定な人は、コンプレックスを抱えている。私にとってそれは、「モテない」ことだった。

多くの男性にとって、特に女性が好きであることを自認している男性にとっては、モテないことはつまり死を意味する。

社会は残酷で、この本を読んだ当時新卒の世界は、分かりやすく弱肉強食の世界だった。

陽気で小綺麗にしたあまり面白くないやつらが、僕が指を加えて見ていた美女の心をかっさらっていくのを目の当たりにした。そうした事実を受け入れられず、自分には何も無いと思っていた時に、この本は決定的な言葉を放った。

「あなたは気持ち悪い」

 

自分の気持ち悪さと向き合うことは辛い。でもそれを飲み込んでなんとかしようと動かないと、いつまでも指をくわえて見ているだけだ。

これも選択だ。一生指をくわえて見ているだけで良いのか、そうでない世界を見たいのか。「来世でがんばろう」なんて言葉は捨てよう。来世なんてものがないことは、脳は十分に理解しているのだから。

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

 

 

自分を救う本は、自分にしか見つけられない

これらの選書は、必ずしもあなたを救うものではない。

もがいてもがいてたくさん本を読んできた中で、割と広い層におすすめできそうな本を見繕っただけだ。

あなたを救う本は、あなたが見つけなければならない。

ここに記した本の下には、何十冊ものクソ本の屍がある。世間的にはクソ本でも、当時の自分にはまずそれらにすがり、「ここには書いていない」ということを確かめつつ、正確に掴めるまでもがくしかなかったのだ。

 

若い頃から多読をしていれば、そんなことにはならなかったのかもしれない。

でも「〜れば」なんていうのは、なんの役にも立たない。

 

だからここに書いた本に何か引っかかったら、まずは図書館で借りてざっと読んでみてほしい。そこからまた糸口を得てググって借りて読んでを繰り返していれば、あなたを救う本は必ず見つかる。

 

よく「成功者はやめなかっただけ」とかいうじゃないですか。

読書もそれと同じで、読むことをやめなければ何かが見えてきて必ず道が開ける。

心が壊れないうちに読んで考えて苦しんで、自分を育てて未曾有の事態に備えましょう。

 

そんな感じ。