Drupal 開発ディレクター兼エンジニアが仕事、育児、本など雑多に書くブログ

GUI + Gitでできる仕事

この2月からDrupal開発に携わっている。

役職はディレクターで、これまでの経験を活かしながらも、より技術的な知見が求められる仕事だ。

 

Web開発のディレクターは、なかなか明確なロールモデルがない。

一般的に大規模なシステム開発のPMはエンジニア出身の人材が務めることが多く、中〜大規模なWebサイト開発を「できます!」と堂々と言えるディレクターはそもそも少ないのだ。

 

この仕事に必要なのは、もちろんディレクション能力である。しっかりヒアリングをして要件定義書を書き起こし、エンジニアのリソースに気を配って、ユーザー目線でテストして成果物のクオリティを担保する。

それは当たり前として、Drupal開発においては開発自体に関われる面も多分にある。

 

通常ディレクターは「依頼する人」でエンジニアは「作る人」であるが、DrupalのようなフレームワークCMSの間にあるような製品だと、ノーコードで開発できる部分も多様にある。

複雑な要件が無ければ、ほとんどノーコードで完結してしまうケースもあるだろう。

 

そんな時に求められるのがGitができることで、これは転職前から必要と分かっていたものの、特定のプログラミング言語が分かることよりも遥かに重要である。

 

CSSでもJavaScriptでもPHPでも、プログラミングをちょっと理解した程度では、もともとある機能群を使いこなしてかつ拡張性に優れたコードを書けるわけもない。既にあるものを活用して常に意識して作るというのは、そんなに簡単な話じゃないのだ。

 

一方でGitさえできれば、開発のワークフローに参加できるようになる。

GUIで設定して構成ファイルを吐き出してマージリクエストを送るだけで、開発の一手を担うことができる。これに近い仕事は今後増えることだろう。

 

もちろんイチからコードを書く機会がゼロになることはないが、その分量は減るように技術は進歩していくはずだ。

そうなるとプラットフォームやフレームワークごとに省略化された形での実装方法ができ、その領域においては「設定方法を理解しているやつ」が優位になってくる。

これはチェックを主業務とするディレクターと、実はめちゃくちゃ相性が良いのだ。画面を眺める機会は誰よりもある。

 

ちなみにコードを書かないからと言って、システムを理解しなくて良いわけではない。

何がどう動いてどうなるのか分かっていないと、結局は問題解決できずマニュアル化された作業しかできないだろう。

 

それでもまず今の自分にできるところから開発に携わり、その中でWebの仕組みを改めて理解しつつ、少しずつできることを増やしていけるこの仕事には何か面白いところがある。

 

Drupalに取り憑かれた人の中には、ものすごく優秀なエンジニアもたくさんいる。そうした人達の心を掴んで離さない理由も、実はこうした学習のサイクルが起きやすい環境にあるのではないかと思う。

 

Drupalでいうと、サイトビルダー試験に合格した人の次の指針として。

 

そんな感じ。